「脚はみぞおちから始まっている」
この言葉は少し不思議に聞こえるかもしれません。
けれど、日本の身体観を知ると、とても自然に感じられるのです。

昔から日本では、身体を「部分」ではなく「流れ」でとらえてきました。
動きは腰やお腹から生まれ、呼吸とともに全身へと伝わっていく。
だから「脚」も脚だけで成り立つのではなく、みぞおちの奥――横隔膜の働きによって初めて大地に根を下ろす力が生まれるのです。


飛脚に学ぶ、身体のつながり

江戸時代を駆け抜けた飛脚たちは、一日に何十キロも走り続けていたと伝えられています。
もし脚の筋肉だけに頼っていたなら、とても持たなかったはずです。

彼らは呼吸とともに、みぞおちから下へと力を流し込み、背骨や骨盤を通して脚へ伝えていました。
身体を「一つながり」として使えたからこそ、驚異的な持久力を発揮できたのです。


みぞおちの柔らかさは、足裏の安定へ

立つときや歩くとき、不思議とみぞおち周りが固まると足元まで硬くなりがちです。
逆に、呼吸とともにみぞおちがゆるんでいると、自然に足裏が広がり、地面に安心して立てます。

飛脚だけでなく、農作業や荷物運びをしていた昔の人々も、この感覚を無意識に身につけていたのでしょう。


日本的な身体観としての「脚」

西洋では、脚の始まりを「股関節」からとらえる考え方が強いですが、日本の身体文化には「体幹からの流れ」として脚をとらえる柔らかさがあります。

「脚はみぞおちから始まっている」という表現は、単なる比喩ではなく、日本人が長い歴史の中で育んできた身体感覚そのものなのです。


身体の中を動かす感覚を身につけると、立ち方や歩き方といった日常の動きが変わり、毎日の生活がぐっと心地よくなっていきますよ。

スピリチュアルボディセラピスト
Arti(アルティ)


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