ストレッチや運動でよく聞くのが、「つま先を持って足を伸ばして」という言葉。
でも、多くの人は腿の裏を伸ばそうとして、硬い・痛いと感じてしまいます。
本当に大切なのは、股関節を引く感覚です。
股関節を「引く」とは?
股関節は、大腿骨の骨頭が骨盤の臼蓋にはまり込む、球関節です。
本来はとても自由度が高く、開く・閉じる・回すといった多方向の動きが可能です。しかし、日常生活では「引き込む」という動きは意識されません。
「股関節を引く」とは、脚を単に伸ばす・持ち上げるのではなく、横隔膜や丹田や呼吸を意識し、身体の内側の空間を動かすイメージで操作すること。
この操作ができると:
- 腿の表や裏で無理につっぱらなくなる
- 骨盤が安定して腰や背骨が自由に動ける
- 身体の深部、いわば「内臓につながる空間」から動ける感覚になる
という大きな変化が現れます。
よくある誤解 ― 「腿の裏を伸ばす」だけのストレッチ
多くの人は「つま先を持って足を伸ばす」=「ハムストリングのストレッチ」と捉え、腿の裏を強く引っ張ってしまいます。
その結果:
- 「硬い」「痛い」と感じる
- 股関節が詰まり、腰も丸まる
- 本来の可動域が失われる
本当のポイントは、腿の裏ではなく股関節の奥をいかに引き込めるかです。
表層の筋肉で無理に頑張らず、内側から動くことが鍵になります。
内側から動く ― 股関節と内臓の関係
股関節を引く感覚は、体の「内側=内臓空間」と直結します。
大腿骨頭を骨盤の中に収めようとすると、お腹の奥や骨盤内の空間が広がる感覚が出てきます。
これは、横隔膜・腸腰筋・骨盤底筋などのインナーマッスルが自然に働くからです。
股関節を引くことは単なる関節操作ではなく:
- 背骨の軸を立てる
- 腹腔を広げて呼吸を深くする
- 内臓にゆとりを与え、「内から動ける体」を作る
という全体性につながります。
実践ポイント
1. 脚を前に伸ばすとき
つま先や膝を無理に伸ばすのではなく、太ももの根元(鼠径部の奥)を後ろに引き込む意識を持つ。
2. 呼吸と合わせる
息を吐きながら股関節を深く沈めると、腹腔の奥のスペースが広がり、自然と脚が伸びていく。
3. 坐骨を感じる
座って行う場合は、坐骨が床に均等に沈むように意識すると、股関節がハマりやすい。
4. 無理なく徐々に
「伸ばそう」と頑張るのではなく、股関節が奥に引けているかに意識を置く。腿の裏は自然とゆるんでいきます。
まとめ
つま先を持って足を伸ばすとき、本当に大事なのは「ハムストリングを伸ばす」ことではありません。
股関節を深く引き込む操作によって、体の内側が働き出し、姿勢が安定し、動きに余裕が生まれます。
柔らかさとは外側を一生懸命に伸ばすことではなく、内側の空間をどう使えるかで決まるのです。
スピリチュアルボディセラピスト
Arti(アルティ)
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