― 日本人の身体観から見直す ―

私たちの身体の中でも、とても大切な役割を担っているのが『肩甲骨』です。
けれど現代人の多くは、肩甲骨が硬くなり、背中に張り付いたような状態になっています。

その結果どうなるでしょうか。

食事をするときやパソコンを使うときに、肩甲骨ごと腕を後ろに引けず、自然と首が前に出てしまうのです。
これは単に姿勢が崩れるだけでなく、行儀が悪く見えてしまう原因にもなります。


日本人の身体観と肩甲骨の動き

日本人の伝統的な身体の使い方には、「肩甲骨を柔らかく保つ」知恵がありました。

武道や能、茶道の所作においても、肩甲骨をスッと下げて背中を広げる動きが基本です。

解剖学的にも、肩甲骨は**「浮き骨(浮遊骨)」**と呼ばれるほど背中に固定されていません。
周囲の筋肉によって自由度高く動くことができるため、本来は腕の可動域を大きくし、呼吸や姿勢の安定にも関与しています。

肩甲骨が柔らかく動くと、腕はスムーズに後ろへ引けます。
すると首が前に突き出ることなく、自然と背筋が伸び、所作が美しく整うのです。


肩甲骨をゆるめると起こる変化

  • 食事の姿勢が美しくなる
  • 呼吸が深まりリラックスしやすくなる
  • 首や肩のコリが減る
  • 見た目の印象がすっきり上品になる

つまり、肩甲骨を柔らかくすることは単なるストレッチではなく、日本人が大切にしてきた「美しい体の使い方」を取り戻すことでもあるのです。


日常でできる“肩甲骨ゆるめ稽古”

肘を大きく回す
肩そのものを回すよりも、肘先で大きな円を描く意識を持つ。
→ 背中から肩甲骨が自然に動きやすくなる

背中で合掌(できる範囲でOK)
手のひらを背中で合わせようとすると、肩甲骨が自然に開き、胸郭の柔軟性も高まる

深呼吸とあわせる
息を吐きながら肩甲骨をスッと下げると、首が伸び、呼吸も深まりやすい

補足:このとき腰をそらしすぎないように注意しましょう。
肋骨の下縁を軽く内側に収めるイメージで行うと、体幹が安定し安全です。


まとめ

肩甲骨が硬いと、首が前に出て姿勢が崩れやすくなります。
しかし肩甲骨を柔らかく保てば、食事や日常の所作そのものが美しく変わり、『日本人が本来大切にしてきた「身体文化」』が自然とよみがえります。

日々の何気ない動作を“稽古の場”として意識すること――
それが現代においても、美しい姿と心を育てる第一歩につながるのです。

ブログではお伝えしていない肩甲骨を緩める呼吸や動作法についてもっと詳しく知りたい方は、整体・えんやむすひまでお気軽にご相談くださいね。

スピリチュアルボディセラピスト
Arti(アルティ)


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